DIYで棚を作ろうとするような人はけっこう読書家な人が多く、『初めての作品が本棚』なんて人も多いんじゃないでしょうか?
でも初めてのDIYでいきなり本棚作ろうとするとけっこう難しいですよね。
DIYシリーズ企画『DIY初心者講座』の第4回にあたるこの記事では
【本記事の内容】
- 作りと寸法の割り出し方
- カット図面の書き方
- ネジやクロスブレースなどの金物について
- マンションでも騒音を気にせずネジを打つ方法
こんなことについて、ホームセンターの資材館に勤めて12年になる筆者が、イラストなどを交えて解説しています。
「大好きな本を好きなように並べた部屋に住みたい」
そんな気持ちを応援すべく丁寧に解説していきますので、お付き合いください。
※この記事は『DIY初心者講座』全8回の講座の4回目です。⇒第1回目『DIYの第一歩は資料集め。本や雑誌を見なくてもアイデアがジャンジャン湧いてくる必須ツール』
簡単だけど丈夫な本棚の構造と寸法の割り出し方
本棚の側板の寸法を決める
まずは支柱となる縦方向の板『側板』の寸法を決めてしまいましょう。
ここは単純に本棚の高さと奥行きが側板の寸法となります。
今回例に挙げている『高さ1800mm、幅が900mm、奥行き235mmの本棚』の場合、
奥行きは2×10(ツーバイテン)の幅 235mmを活かしてそのまま変更なし。
本棚全体の高さである1800mmがそのまま側板の長さ寸法になります。
本棚の棚板の寸法を決める
次に本を直接支える横方向の『棚板』の寸法を決めます。
計算式は『本棚全体の幅ー側板の厚み×2枚分』
例えば今回のように本棚全体の幅が900mmだとして、棚板を900mmにしてしまうと横に取り付ける側板の厚み分大きくなってしまいます。
900mm+(側板の厚み38mm×2枚分)
=976mm
76mmも大きくなったら置きたいところに入らないかもしれませんよね。ですのでここでは
900mmー(側板の厚み38mm×2枚分)
=824mm
棚板を824mmにしておけば組み上げた時に本棚全体の幅は900mmとなります。
本棚の背板の寸法を決める
本棚の背面に取り付けて強度を出したり、棚自体をオシャレに見せる『背板』
今回、本棚の中段辺りに設けるディスプレイスペースの背板は本棚の内側に収まる造りにするため、棚板と同じ824mmにします。
木材は2×4の半分の厚みの1×4(19mm×89mm)を使います。
DIYで本棚作るなら背板かクロスブレースを付けよう
実は漢字の『口』の字型、『日』の字型の棚は大きく揺れて不安定です。
必ず背板、または『クロスブレース』を付けましょう。
本棚の後ろ全面に背板を付けるようならクロスブレースは要りません。
しかし、今回のように少しだけ背板を入れるとか、背板が全く無いようだと強度的に弱くなりやすい。
横に揺れやすくなるんです。
地震の時にビルがグワングワン揺れるのに似ています。
それを防止するのが筋交いの役割をするクロスブレースというわけです。
ホームセンターの木材カット加工を注文するための図面の書き方
・側板用
1800mm×235mm×38mm 2枚
・棚板用
824mm×235mm×38mm 6枚
・背板用
824mm×89mm×19mm 5枚
第2回『ホームセンターの店員がおしゃれな本棚をDIYで自作する前に必ずやること』で描き上げたスケッチと今回割り出した寸法から必要なパーツ、寸法、数が全てわかりましたね。
ここまでわかれば十分なんですが、ちょっと待った!
どの木材からどのサイズの板を何枚とるのか、あらかじめ計算しておくと買い出しがとてもスムーズです。
購入する数が分かりますし、カット加工の依頼にも便利です。
購入する木材の大きさを方眼ノートに書く
まず5mm方眼のノートに購入する木材の大きさを四角形で描き表します。
『一マス50mm』のつもりで描き始めると混乱しにくくてオススメです。
1820mm×235mmの2×10であれば、横に36.5マス、縦に4.5マスぐらい。
電卓を片手にパーツを木材に割り振る
この木材から何mmの木材を何枚切り出せるのか?を計算していきます。
まずは1800mmの側板ですがこれは簡単。
ほとんどそのまま使えます。
次に824mmの棚板。
これは2×10の6フィートから2枚分取れる計算です。
この棚板は6枚必要ですから買うべき2×10の6フィートは3本ということがわかります。
最後に背板。
この背板も824mm、棚板と同じ長さにカットですから1×4の6フィート 1本あたりから2本取れます。
背板用にカットした1×4は全部で5本でいいので購入する数は
- 6フィート 2本
- 3フィート 1本
これが一番無駄のない木材の買い方になります。
お疲れ様でした。
慣れないと頭から煙が出てきそうなくらい混乱しますよね。
これを即興で頭の中だけでできるのが私ら販売員です。
難しければ最低限、欲しい木材の寸法だけリストアップして、木の切り出し方はプロに任せてしまうのも手です。
DIYで本棚を組み立てるためのネジの太さ、長さを決める
DIYにオススメのネジは『軸細コーススレッド』
ネジの種類は星の数ほど沢山あって、ホームセンターの金物コーナーに立つだけで絶望すると思います。
そんな時は『軸細コーススレッド』という種類のネジが無いか探してみてください。
この軸細コーススレッドは
- 普通の木ネジより先が尖っていて材料に刺さりやすい
- ネジ山が大きく深いので木材同士がしっかり留まる
- 箱売りしてて安い
こんな理由から一度使うと病みつきになります。
私は基本的にこれしか使いません。
木材使ってDIYするならこれでほぼ事足りちゃいます。
ネジの長さは本棚の側板に使う木材の厚みを2倍にした寸法
長さの規格も25mmから150mmまであり、よく使う75mmあたりまでは5mm刻みで品揃えしています。
DIYにハマると軸細コーススレッドの箱が5mm刻みで棚に並ぶっていうのはDIYerあるあるだと思います。(笑)
ネジの長さは留める木材の厚みの倍が目安です。
今回の38mmの2×10でしたら60mm~75mmを使いたいところです。
マンションDIYでも長いビスを静かに打ち込む方法
DIYの騒音クレームを防止する下穴開け
今回の『2×10を使った本棚作り』はインパクトドライバーという電動のネジ回しを使うことを想定しています。
そうでないと木材に長いネジが留められないからです。
しかしこのインパクトドライバー。
使ってみるとわかるんですが、すごい音がするんですね。
内部にハンマーが内蔵されていてネジがある程度まで木材に入ったところで止まりそうになると、ハンマーの力で回す力をアップさせます。
その音がかなり大きく、ハッキリ言ってマンションなどの集合住宅ではかなり響きます。
でもDIYしたいですよね?
そこで長年、集合住宅でのDIYにチャレンジしてきた私が編み出した静かに長いビスを打ち込む方法を教えますね。
DIYで長いネジを打ち込む前は必ず下穴を開ける
なぜネジが入りにくいかというと木材に引っかかるからです。
先に穴を開けておけばネジは木材の抵抗なく、スムーズにネジが入っていくんです。
こういった極細のドリルで木材に下穴を開けておく。
インパクトドライバーのハンマーさえ起動させなければ、あとはモーター音ぐらいしかしません。
モーター音ぐらいなら掃除機や換気扇の音の方がよっぽどうるさいぐらいで大したことないです。
どうですか?出来そうな気がしてきましたか?
ただ安物のショボいインパクトドライバーを選んでしまうとパワー自体が弱いのでかなり早い段階でハンマーを使いやがります。
「音だけすごくて全然ネジ入ってかねぇじゃん…」
こんな風なトラブルやストレスも使う工具一つで難なく解決することができます。全て味わってきましたから。
そんなものを抱えなくていいように、次はいよいよ気になる道具類や工具、作業場所について考えていきます。