DIYで本棚を作りでこだわれるのはサイズのオーダーメイドにとどまりません。
アイデア次第で「〇〇風」といった様々なストーリーを感じさせるような風合いを出したり、
自分専用に使い勝手を良くしたりできます。
だって自分専用ですから塗るのも、何を取り付けるのもアイデア次第です。
※この記事はDIYの第一歩~から続く全8回の講座の8回目です。⇒第1回目『DIYの第一歩は資料集め。本や雑誌を見なくてもアイデアがジャンジャン湧いてくる必須ツール』
木の風合いを活かしてそのまま
木の風合いをそのまま活かして使うことができるのもわざわざホームセンターで木材を買って作った醍醐味ですよね。
市販の家具ではプリント合板や、金属、プラスチックなどの素材が多く、
ましてや無塗装となると商品として出回っているものはかなり少なくなります。
ほのかに香る木の匂いを感じる本棚、いいじゃないですか。
しかし、注意点が一つ。
無塗装の木材、特にSPFに代表される針葉樹系の白木は汚れがつきやすいです。
本などを何度もこすると黒い擦れ跡などが付きます。
経年変化として楽しむこともできますが、「汚らしく見えるのはちょっと…」という場合はやはり塗装することをオススメします。
水性ペンキのビビットな色で塗る
水性ペンキで塗るのは絵の具で絵を描くのと同じぐらい簡単です。
何も考えず、刷毛に塗料を付けて塗るだけ。
木材相手であれば基本的に下処理無しで塗ることが可能です。
塗っている最中、乾かしている最中の匂いもかなり少ないですし、乾いた後はもちろん無臭。
水性ペンキでもっとも多いのが「水に弱いんじゃないの?」という疑問だと思いますが、全くそんなことはありません。
水性ペンキは屋外で雨ざらしになる場所に置く物でも塗ることができます。
水に弱いのは乾く前の話です。
しかしこれは素晴らしいメリット。
- 使った刷毛は水道水でジャブジャブ洗って綺麗にできます。
- 手についた塗料も水、またはぬるま湯で洗えば落ちますし、爪の間などの落ちにくい所についた塗料もお風呂に入れば残っていることの方が珍しいぐらいです。
逆に油性塗料に関しては屋内で使う分にはかなり慎重にならないといけません。
- 塗っている最中、乾かしている間は溶剤のキツイ匂いがする
- 塗った刷毛、手についた塗料は「ペイントうすめ液」などの溶剤で洗わないと取れない
材料への付着性が高いことや、仕上がりの美しさというメリットはあるものの、『屋内で手作りの本棚を塗る』ということを考えると
水性ペンキの方が断然向いています。
現在は色を混ぜ合わせなくてもかなりの種類の水性ペンキが店頭に並んでいるはずです。
ファッション感覚で好きな色を探して、自分の本棚をビビッドな発色でおしゃれにしてしまいましょう。
木の乾いた風合いはそのままに色だけ変えたい
「せっかく木で作ったんだからペンキで木目は隠したくない。」
「もっと濃い茶色の木材を使いたかった。」
『オイルステイン』ならそういったことも可能です。
ペンキのように木材の表面に塗膜を作る塗料ではなく、木材自体に染み込むように色を付けていくオイルステインであれば、
ツヤを出さずに木材の色だけを変えることができます。
オイルステインとは少し異なりますが、最近人気の塗料に『ブライワックス』という塗料があります。
オイルステインで塗ったような木目を生かした色合いと、ワックスの成分による独特の自然なツヤが使い込んだ木材のような風合いを簡単に表現してくれるので根強い人気商品となってます。
私もこの塗料は大好きで、特に『アンティークブラウン』という淡い茶色の色はSPFの白木の色を少しだけトーンダウンしたいような場合にとても重宝します。
匂い・色移りには注意が必要
オイルステインはその名の通り、油性の塗料なので水性のペンキに比べると少しキツイ溶剤の匂いがします。
使用する際は、屋外で塗って乾かすか、よく換気された場所で塗る必要があります。
また、塗膜が無いため、色の薄いものに色移りしやすいです。
乾いた後に手につくことはありませんが、白い壁紙に接する部分や、お気に入りの本を並べる場合は直接触れないように工夫する必要があります。
木目を見せつつ、濡れたようなテッカテカのツヤも出したい
この2つを使って、何度も塗装を塗り重ね、ヤスリがけをする根気があれば、特別な道具がなくてもツヤッツヤの高級感たっぷりの本棚も作れます。
この水性ウレタンニスはオイルステインのような木目を活かした着色ができる一方で、オイルステインとは違った硬い塗膜を作るのが特徴です。
テーブルや棚板などの『使う』ものを塗る時はこの硬い塗膜が非常に重要で、水性ウレタンニスをしっかりと塗った家具は濡れたようなツヤ感と、耐水性があり、家具としての耐久性がグンと増します。
お金持ちの家の家具や、オシャレなバーのカウンター、高級車のインパネなんかをイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。
あんなイメージに近づけるには水性ウレタンニスがピッタリです。
これとよく似た塗料に『水性ニス』という塗料があります。
これは『飾る』ものにツヤを出すのに向いている塗料で、『使う』ものにはまったく向きません。
塗膜も柔らかく、テーブルなどに使うと乾いた後でもベタベタとくっつく感じがあり、コップなどを置くと丸い跡が残ったりするので使用感は最悪です。
本棚に使用してしまうと、本と本棚がベッタリくっついてしまう恐れもあるので間違えないように注意が必要です。
柄物の布や壁紙を貼り付けてポップに
DIYあるあるだと思うんですが、ナチュラル系のインテリアにこだわり過ぎると部屋中茶色い家具だらけになるんですね(笑)
そんな茶色だらけの中に差し色で柄物の布や壁紙を取り入れるとすごく映えますよ。
『壁紙屋本舗』では国産ものから輸入ものまで、様々な柄の壁紙を少量から販売しています。
何十mもある巻物を買わなくても本棚の背板分だけ気に入った柄の壁紙を買って張り替えなんてことも自宅で自分でできます。
モールディングでドレッシーに
中世ヨーロッパや19世紀のアメリカの家具などに見られる棚の端っこに付いてるゴージャスな飾り。
あれは『モールディング』という部材でホームセンターでも普通に購入することができる一般建材です。
業界でいうと『みはし』というメーカーの『サンメント』という商品が有名です。
木質のものから樹脂製のものまで素材も様々、柄もかなり豊富で、大きなものになると一本1万円を超えるもの珍しくありません。
接着剤と隠し釘などで簡単につけることができ、なおかつ量販店の家具にはない豪華さが出るので、ゴシックな感じやレトロで洋風なインテリアが好みの方はぜひ取り入れてほしいDIYです。
ライトを取り付けて本屋みたいに
意外と見落としがちなのが照明です。
最近のオシャレな本屋やアパレルショップに行くとわかりますが、棚の上の空いたスペースから照明を伸ばして棚自体をライティングしていることが多いです。
こうすると棚やその中の物の陰影がハッキリついてインテリアにメリハリが出ます。
IKEAなどで手に入るものでしたら、安くてオシャレなスポットライトを仕入れることができるので
同じ棚を量産してそれぞれにお揃いの照明を取り付けるだけで部屋の印象はガラッと変わります。
アクリル板を仕込んで一部をショーケースに
本棚だからといって本を置かなければいけないわけではありません。
本棚の棚の一つにアクリル板をはめ込んで内部に簡易照明を仕込めば、お気に入りのフィギュアや記念品を飾れるショーケースにすることもできます。
お気に入りの作品を本棚に並べ、それにちなんだグッズをショーケースに入れ込んで愛でる、大人の嗜みですね。
アクリル板はホームセンターで切ってくれるところもありますし、自分でも専用のカッターと定規があれば、電動工具がなくても自宅で切ることができます。
▲アクリル専用のカッター。何度か切り込みを入れて「パキッ」と折るとキレイに切断できます。
コの字型のレールをショーケースにしたい棚の上下に取り付けて、切ったアクリルを差し込むだけです。
割れ目に蛍光塗料を流し込んで光る本棚にする
SPFのような無垢材には節や割れが付きもの。
だったらその自然な模様と、人工的な加工を組み合わせてハイセンスな仕掛けにしてしまいましょう。
樹脂と発光塗料を混ぜ合わせたものを抜け落ちた節の部分や、割れ目に流し込んで、固まった後は上記のような水性ウレタンニスで仕上げれば、日本の市販の家具ではあり得ないハイセンスな本棚の完成です。
せっかくオリジナルの家具を作るんだったらここまで振り切っちゃいたいですね。
専用のハシゴを引っ掛けて気分は司書
はしごで登らないと取れないほどそびえ立つお気に入りの蔵書と本棚は読書好きなら誰しもが憧れる光景。
『ロフト用木製はしご』と『キャスター』、それに『ステンレス巻きパイプ』があれば自分でも簡単に作ることができます。
ロフト用のはしごは上部にフックが付いています。
本来は幅の短いパイプに引っ掛けるものですが、ホームセンターでは定番商品の『ステンレス巻きパイプ』を好みの長さにカットして、本棚の幅に合わせてしまえばアーラ簡単。
本棚のどこにでも引っ掛けられるはしごの出来上がり。
木製ということはどこにでもネジが効くので下部にキャスターを取り付ければ横にガラガラと動かせるはしごになりますね。
ぜーんぶできるよ、DIYならね。