ツーバイフォー材を立てて柱を作れるのはディアウォールやラブリコだけだと思っていませんか?
ディアウォールやラブリコよりも自由度が高く、インダストリアルなデザインで人気のアイテムがほかにもあります。
それが『ウォリスト』です。
今回紹介するウォリストはこんな人にピッタリ。
- 賃貸なので壁や天井に穴を開けずに棚を作りたい
- 奥行き89mm以上の棚を作りたい
- ツーバイフォー以外の木材、木製足場板で突っ張り棚を作りたい
- 機械っぽいデザインが好き
この記事ではそんな人におすすめのDIY便利グッズ『ウォリスト』の
- 特徴
- ディアウォール&ラブリコとの違い
- 発売されている本体の種類やカラーバリエーション、オプションパーツ
- 必要な2×4の寸法や、DIYに必要な工具
- 実際の作例
など盛りだくさんで紹介しています。
この1ページでウォリストのことがすべてわかるよう徹底的に解説していますので、大ヴォリュームとなっています。
急いで調べたい方は目次をうまく使って必要な部分だけ読み飛ばしてもらってもOKです。
また、ウォリスト以外のラブリコやディアウォールなどの2×4(ツーバイフォー)突っ張りアジャスターについてはこちらで解説していますので合わせてチェックしてみてください。
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ウォリストを使う最大のメリット、ディアウォール&ラブリコとの違い
ウォリストと他のツーバイフォー突っ張り部材(ディアウォールやラブリコ)との最大の違いは、ツーバイフォー以外の木材でも使えるというところにあります。
このようにウォリストはツーバイフォーに取り付ける部分が『カタカナのコの字型』をしており、厚みが38mmの木材であればツーバイフォーでなくても使えます。
例えば、安くてしっかりした大きさの材として人気の『木製足場板』。
この足場板の寸法はおおよそ、36mm×240mm×3600~4000mmですから、36mmに薄ベニヤなどで2mm程度厚みを足してやれば、ウォリストでツーバイフォーと同じように突っ張ることが可能です。
ウォリストに使える木材の規格
- 2×4(38mm×89mm)
- 2×6(38mm140mm)
- 2×8(38mm184mm)
- 2×10(38mm235mm)
- 2×12(38mm286mm)
これらの木材は全て厚みが38mmに統一されているため、ウォリストを取り付けることができます。
2×10(ツーバイテン)などを使って奥行きのある本棚なんかを作ることも可能です。
長さの規格は以下の通りです。
- 3F(フィート) 910mm
- 6F(フィート) 1820mm
- 8F(フィート) 2438mm
- 10F(フィート) 3050mm
- 12F(フィート) 3650mm
- 14F(フィート) 4267mm
ツーバイ材の寸法や長さの種類はホームセンターの規模、建築資材の扱い量に左右される部分ですので、実際の買い出しの前には「自分の欲しい材料がお店で扱っているのか?」を確認するために、まず下見に行くことをおすすめします。
種類は全部で3色のみ
ウォリストの種類はシンプルに3種類。色が違うだけで作りは同じです。
「指を挟んだらどうしよう?」なんてことは一切お構い無しのメカニカルなデザインがかっこいいですよね。
このウォリストのハードなデザインもディアウォールやラブリコにはない大きな特徴の一つです
また、ウォリストを使った場合ツーバイフォーの床側にくる部分には保護シートのみ、見た目はツーバイフォーがそのまま立ってるように見えます。
- ツーバイフォーの根元はスッキリさせたい
- 床からベニヤ板などを貼り付けたい
- パーツはなるべく見せたくない
そういういった場合にはウォリスト一択ということになります。
ウォリストに使うツーバイフォーの長さ
ウォリストを使ってツーバイフォーを立てる場合、床から天井までの寸法から『-60mm』引いた寸法でツーバイフォー材をカットします。
とりあえずこの寸法さえ間違えなければ難しいことは気にしなくてOK。
後述しますが、ラブリコは内部のバネでプレートを押し上げていく『ジャッキアップ型』の構造をしていますので、柔らかく天井を押し上げていきます。
ですから上下10mmぐらいの誤差であればネジの締め具合で調整できますので、寸法にそこまでシビアになる必要はありません。
実物のウォリストを採寸してみました
▼以下、ウォリストの細かい寸法の話です。必要ないという方は読み飛ばして次の章へ
ウォリストはドライバーでボルトを締めこんでいくと内部のバネの力でプレートがジャッキアップしていって天井と床を突っ張ります。
【縮めた状態】
縮めた状態の62mmの内、ツーバイフォーにかぶさる部分が22mmで、ジャッキの部分が40mmほどになります。
【伸ばした状態】
ジャッキ部分を最も伸ばしてみると40mm→80mmまで伸びます。
つまり天井高から60mm引いた寸法でツーバイフォーをカットすると、
- ウォリストと天井のすき間が20mm空いた状態がスタート
- ウォリストの可動範囲のちょうど中間あたりで天井に接地
- そこからさらに20mmは伸ばせる(=天井を押し上げていく力がかかる)
こういった流れで床と天井を突っ張ります。
ツーバイフォーが床面と接する下部には付属の床面の保護材としてウレタンのプレート(厚み2mm)を入れます。
これは柔らかいウレタン製で負荷がかかれば潰れていきますから、厚みとしては0mmと考えてもいいと思います。
パーツの細かい話
ウォリストはツーバイフォーに対して四方丸ごとパーツがかぶさるわけではなく、
横は開放型の「コの字型」をしているので、パーツとツーバイフォーは完全にフラットになります。
ですがジャッキアップ用のボルトだけは飛び出てしまうのでこれが7mmほど出っ張ってしまいます。
それ以外は完全にフラットになるのでジャッキアップ用のボルトが出ている裏面を使えば床から天井まで完全にフラットな間柱としてツーバイフォーを使うことができ、本格的な間仕切壁の下地としても使えます。
ですが時折、ゆるみが出ていないかの調整は必要なのでジャッキアップ用のボルトを完全に隠してしまう構造にするのはやめましょう。
ウォリストをDIY初心者が立てるのに必要な工具
ウォリストを作るにあたって必要な工具はこちらです。
DIYをやる方ならどれも持っているものばかりですよね。
他の作業でもよく使うものばかりですので、ない場合はこれを機にちゃんとしたものを揃えておくと今後のDIYでも役に立ちます。
えんぴつ
印をつけるのに使います。シャーペンだと芯が細すぎて、ペン先が木にめり込んだり、木目に邪魔されて書きにくいです、ボールペンは消しゴムで消せませんのでえんぴつがおすすめ。
メジャー
棚の高さを測ったりするのに使います。安すぎるものは先端のツメが柔らかく、曲がってしまうと正確に測れなくなります。目盛りが入っているテープの部分が細すぎるのも折れ曲がってしまって使いにくいです。
▼オススメはこちら
- 腰ベルトに付ける専用のホルダー付きなので作業中もすぐに取り出せてなくさない
- ホルダーにカチッってはまる感じが超気持ちいい
- 狭い隙間に先端の爪が挟まったりしても、爪が曲がってダメにしてしまうことがないので結果として安物買うより長持ち
- メジャーを長くのばしてもヘタらないので、長い角材の寸法を測るときにいちいち動かずによくて測りやすい
タジマの良いメジャーはイチイチ気持ちいいから、ちゃんとDIYしたい人にはおすすめ!
差し金
直角を測るのにとてもよく使います。安いものでも問題ありませんが、目盛りが彫り込んであるものは目盛りが消えにくいので長く使えます。
▼おすすめはコチラ
ドライバー
ウォリストで使うネジは太くて長いものが多いのでできれば電動タイプがおすすめ。バッテリータイプではなくコードで電源を取るものであれば数千円で買えます。家具の組み立てなどにも使えるので一家に一台あるとネジ締めの苦痛から解放されます。
▼入門編ならこのくらいで十分使えます。
ウォリストだけが可能な奥行きのある本棚
ウォリストがユニークなのはツーバイフォーを何本か束ねて使うことを、メーカー側の方から提案している点です。
一年に一度、千葉県の幕張メッセで催されるDIYの祭典『DIYショー』の和気産業のブースでは、本棚やテレビ台を組み合わせた壁面収納がディスプレイされていて、ウォリストでツーバイフォーを4本まとめて突っ張った状態で提案されていました。
このような感じで『大容量の本棚』や『壁一面の収納』なんかを考えている場合にはパーツ類が豊富なウォリストが作りやすいですね。
オプションパーツが豊富、テレビも掛けられる
ウォリストはツーバイフォーで柱を作る以外にも色々なオプションパーツ類が豊富に展開されています。
ツーバイフォーの規格に合わせた棚受け
ウォリストではツーバイフォーを何本か束ねて使用することを想定に入れているため、それに合わせた奥行の棚受けが用意されています。
ツーバイフォー4枚分ということは
89mm×4枚分=356mm(約35㎝)ですから
ウォリストを使えば大型の図鑑なども楽々収納できる、奥行きのある本棚も作れちゃいますね。
ツーバイフォーを何本か束ねる部材
ツーバイフォーを複数束ねて使うことで、奥行きのある突っ張り式の棚が作れるウォリスト。
その際にツーバイフォーを束ねる部材がこちら。
この部材はウォリストの柱にも、棚板にも使うことができます。
棚の補強に使える部材
ウォリストで作った柱に対して交差させる形でツーバイフォーやワンバイフォーを取り付けたい場合に使用する『補強金具』がこちら。
背板代わりにツーバイフォーやワンバイフォーを取り付けて棚全体の強度を高めたり、ワンバイフォーであれば背板から棚板を出すことも可能です。
ウォリスト専用のその他部材
ウォリストが「個性的だなぁ」と思うのが専用のテレビ掛け金具まで商品化しているところ。
確かにウォリストで棚を作るなら液晶テレビもスッキリ収めたいですもんね。
この辺りはウォリストに限らず、ディアウォールやラブリコでも流用できそうですね。
それ以外には保護シートや、ビス頭が塗装された専用のビスも販売されています。
正直、このビスは太すぎてそのままインパクトなどで打ち込むと木材が割れてしまう可能性が高いです。
ドリルビットで3mm程度の下穴を開けるか、別の細いビスを使うなどの工夫が必要です。
ウォリストを使ったDIY作例
最後にウォリストを使ったカッコいい作例をご紹介。
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天井まで大量の本を収納してもたわまない本棚もウォリストなら作ることができます。
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男子の憧れ、壁付けのギターフックをウォリストを使えば賃貸でも付けることができます。壁に傷がつく心配はありません。
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ウォリストだからこそ作れるこの奥行き。このぐらい奥行きのある棚があるだけで、片付けやすさが全然違います。
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キッチンに間仕切りを作ってカフェ風に。ウォリストなら賃貸でも間仕切り壁を作ることだってできます。
【ウォリスト まとめ】こんな場合にオススメ!
ウォリストの最大の特徴はとにかく自由度が高いこと。
ツーバイフォーを2~4枚束ねて奥行きを出したり、2×12(幅286mm)や木製の足場板など、38mmの厚みのものであれば様々な幅の板を突っ張らせることができます。
同じ和気産業から出ている『Lacety(ラスティー)』やライバルの平安伸銅から出ている『アイアン伸縮ロッド』などを組み合わせれば、最高にインダストリアルな男前インテリアが作れます。
ぜひトライしてみてください。