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ハイ、宣伝終わり。
今回の記事は松坂桃李主演のサスペンスもの?『不能犯』です。
- 松坂桃李はどんな殺人でも『動機が純粋』であれば請け負う殺し屋
- 殺人の手段はマインドコントロールによる強烈な思い込みからくる突然死、だから罪に問われない
- 立証不可能な『不能犯』に立ち向かう女刑事役の沢尻エリカ
- 沢尻エリカには松坂桃李のマインドコントロールが効かない(らしいのですが、ここに関しては後述します)
「あなたなら、私を殺せるかもしれませんね…」
「アイツを殺してほしい」という人の望み通りに殺人を請け負い続ける松坂桃李と、それを止めるために奔走する沢尻エリカ。
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※記事本文はネタバレです。
松坂桃李の不能犯としての動機がすごく好き
「知りたいんです…。人間の脆さと強さ、どちらが人間の本当の姿なのか」
この人間に対してフラットに見てる感じが押し付けがましくなくて、すごくいいですよね。
なんか、こう、寒い地方の誰もいない湖畔にいるように低い声でボソボソと、自身の殺人に対する動機を語るのが心地よいです。
そのせいもあるんでしょうか、終始綺麗事を吐き続ける沢尻エリカが、松坂桃李とやりとりを交わせば交わすほど安っぽく見える(笑)
脚本のせいなのか、演技プランのせいなのか、はたまたその両方か。
なんにせよ、松坂桃李との格の差が歴然としすぎてていて可哀想にすら感じるレベルです。
オルタナバンドとかがよくPV撮ってそうな場所に、いつもピカピカの黒スーツで待ってるという松坂桃李の方が、むしろリアリティにかけるはずなのになんだか妙に説得力があって、
一介の女刑事を演じている沢尻エリカの方が設定から演技まで全部ペラペラに見えるというのはいったいどうしたもんか…
まともに走れもしないカッコで殺人事件の容疑者の自宅に捜査に行った挙句、我が家イチオシのボディを持つ、新田真剣佑(※詳しくはこちらの記事から)を犬のように走らせて捕まえさせるって、どんだけよ?
なんかもう、この時点で「この刑事ないわ〜」ってなっちゃいました。
仲良くなるんかーい!って突っ込みが入る『不能犯』のエンディング
この映画って一言で言えば『喪黒福造をやっつけろ』だったはずなのに、
何故か最後に丸こげになって転がっていたのは間宮祥太郎でした(笑)
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
おれは沢尻エリカと松坂桃李の信念のぶつかり合い対決を観ていたんだと思ったら
いつのまにかキャラ変した間宮祥太郎が割り込んできて勝手に爆死しやがった
な… 何を言っているのかわからねーと思うが、俺も、何で2時間っていう枠の中で松坂桃李をヒールにしたかと思えば、最後は悪の力で間接的に人を救うダークヒーローに仕立てたりしたのか、わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
漫画原作だからとか沢尻エリカがシャブ中だからとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。
今から約30年ほど前にテレビアニメでも放送された『笑ゥせぇるすまん』の主人公。悩める現代人の願望を無料で叶えてやるが、それによりだいたいの場合、客が増長し、欲望に溺れてしまい、「ドーン!」の一言と共に以前よりひどい状態に堕とされる。
最初は客の欲望を叶えるためだったはずの商品が、気がつけば客自身を欲望に溺れさせてダメにしてしまう麻薬のようなものだった。
っていうのが『笑ゥせぇるすまん』のストーリーの骨子。
松坂桃李のやってる『殺人の請け負い』はこれとやってることは一緒です。
「自分が救いたい奴は何がなんでも救う」という信念を持つ沢尻エリカは松坂桃李の存在そのものを認められないわけです。
白と黒、水と油、両者はどうやっても混じり合わず、どちらか一方しか残すことができないという悲しさを持っているからこそ、盛り上がるってもんです。
なのにラストシーン、お互いに晴れた空の下で広々とした公園で再会してにこやかに挨拶を交わしてやがる…。
テメェら、結局、間宮祥太郎を踏み台にしてよろしくやりやがるつもりだな⁈
アタックZEROに謝れ!
『不能犯』なんて、沢尻エリカの快楽堕ちで良かったはずなのに!
「私にはアイツのマインドコントロールが効かない」
「私が殺してでもアイツを止めないと…!」
ただの熱血女刑事だったはずの沢尻エリカが、松坂桃李のマインドコントロール攻撃?を受けた後からやたらこのセリフを吐くようになったんですね。
このことから私は、実はこれ自体が松坂桃李のマインドコントロールなんじゃないかと思ってたんですよ。
効かないと思わせといて実は沢尻エリカにもガッツリ効いてて、
「人間の脆さと強さのせめぎ合いから人間の本来の姿を見たい」と望む松坂桃李の望みを叶える形で松坂桃李自身を沢尻エリカに殺させて、
結果としてあれだけ真っ直ぐに正義のおまわりさんをしていた沢尻エリカがダークサイドに堕ちて壊れていく、っていう流れを予想してました。
仮にも大女優である沢尻エリカがペラッペラの正義感をビュンビュン振り回してるなんて、もう完全に堕っことすフラグは立ってるわけじゃないですか。
なのに結局ホントにマインドコントロールにはかかっておらず、ただ単にシラフで松坂桃李を殺す殺す言っていただけだったという。
もうこの女刑事メチャクチャですわ。さすがシャブ中。
実際、ラストシーンで爆弾魔と化した間宮祥太郎がめんどくさすぎて、途中で割り込んできた松坂桃李のことサクッと刺して済ませようとしましたからね、沢尻さん。
綺麗事ばっかりで主張がペラッペラの美人女刑事が、『自分の信念を通すこと』の気持ちよさに囚われて殺人を犯してダークサイドに堕ちてしまうという快楽堕ちが観たかったよー、えーん、えーん。
「愚かだねぇ…人間は。」
こんな風に沢尻エリカの快楽堕ちを観られなかったことに対して不平不満を言っている『醜さ』こそが、結局はうそぶきさんの知りたがっている「人間の本当の姿」なのだとしたら、とてつもなく良くできた作品だと思いますが、たぶんそれはない。